今回は、考えるとは何か?について触れてみたい。
経営企画部の上司
思い起こせば15年前。経営企画部にいた時の上司は相当頭が切れる人で、当時会社に入ったばかりの僕を育てるために、色々なことを色々な角度から質問してきたのです。
その中の一節、「考えるって何ですか?」というテーマのお話。
ある日の上司との会話
上司からの質問
上司「おうつまくん、このエリアの市場を伸ばすためにはどうすればいいと思う?」
僕「商品Aよりも商品Bに力を入れた方が良さそうですねー」
上司「ほう、それはどうして?」
僕「商品Bの方が売れてそうですし」
上司「なんで商品Bの方が売れてるんだろう」
僕「そのエリアの市場性ですかねー」
上司「ほう、どんな市場性?」
僕「いや、なんとなく・・・」
上司「エビデンスある?」
僕「あうあう・・・(言葉が出ない)」
仕切り直し
上司「じゃあ質問を変えよう。商品以外の視点はなんかある?」
僕「えー、売り方とか?」
上司「売り方って?具体的には?」
僕「えと・・・チャネルとかプロモーションとか?」
上司「ふんふん、他には?」
僕「あうあう・・・(言葉が出ない)」
上司「ダメだよ、もっと考えなきゃ。」
僕「・・・はい・・・」
毎日デジャヴ
こういったやり取りが、実はその一瞬の話ではなく、毎日何時間も続くのです。
毎日デジャヴで、「あー昨日も言われたな」、「あー、またあうあうしてるわ」と自分で思いながら、「あうあう…」となってしまっていたのです。
おとといの上司「ダメだよ、もっと考えなきゃ。」
昨日の上司「ダメだよ、もっと考えなきゃ。」
今日の上司「ダメだよ、もっと考えなきゃ。」
多分明日も「ダメだよ、もっと考えなきゃ。」
自分では頑張って考えてるつもりなんだけど、「他には?」とか「それで?」をそれだけ繰り返されたらそりゃどうしようもなくなるよ!何にも思い浮かばなくなるって!
そして、もうどうにも分からなくなってついに上司に聞いたのです。
「考えるって何をすることですか?僕は何をしたら考えたって言えますか?」
そしたら、その上司はちゃんと教えてくれたのです。
考えるとは
上司「考えるには、要素分解すればいいんだよ。」
僕「要素分解?まあ何となく分かりますけど」
上司「例えば、美味しいカレーを作るってミッションに対して、切り口はいっぱいあったよね」
僕「誰が食べる、何人、性別、年齢、材料、お皿、雰囲気・・・ですね」
上司「そう、それだよ。美味しいカレーを作るために『考える』ということは、それに関係する項目に『分解』していくこと。」
上司「分解は『分ければ解かる』と書くだろ?だから細かくしていくんだよ」
上司「ちなみにおうつまくんは『考えて』と言われると、何人かな?材料は?とピンと頭に浮かぶ項目だけに目が行く傾向にあるけど、それ考えてるんじゃなくて思いついてるだけだから。抜け漏れが圧倒的に多くなるよ。」
上司「考えると思いつくは全然違うからね」
僕「あばばばば」
おわりに
あれから15年。ようやく『考え方』というものが分かってきたように感じる。
そして「速く走るには?」のような問いに対して、「鍛える」くらいしか思いつきません…とか言ってる年下の友人を見ると、「ああ、15年前の僕と同じだな」と微笑ましくなると同時に、「考え方」を教えてあげたくなるのです。
安心しろ!やり方のコツさえつかめば、余裕で出来るようになるから!って。