中学1年生の時のこと。
絶対家で開くことのない重たい教科書を、つらい思いをして学校に持ってきて、その日のうちに持って帰るという行為をしてみて、「なんじゃこりゃ?」と思った。
次の日に、指定の大カバンに全ての教科書をブチ込み、机の横にぶら下げた。
「これで明日から楽になる!俺、なんて天才!」
そう思いながらしばらく過ごしていた。
ある日のやり取り
ある日担任の先生から呼び出しが。
先生「教科書を全部持って帰りなさい」
僕 「え、なんでですか?」
先生「家で勉強するためです」
僕 「勉強はしてますけど、教科書は使いません」
先生「いいから持って帰りなさい!」
僕 「はい」
やり取りの結果
「はい」とは言ったものの、僕は全く教科書を持って帰る気は無い。
生返事をして、もちろんそのまま。
翌日・・・
先生「なんで持って帰ってないの!」
僕 「持って帰るの忘れました」
先生「持って帰らないのに、何か理由があるのか!」
僕 「重いからです」
先生「他の人はみんな持って帰ってるやんか!」
僕 「ですね、なんででしょうね」
先生「みんな家で勉強してるんや!」
僕 「僕もしてますよ」
そんなアホみたいなやり取りを3年間さんざん繰り返して卒業した。
過去を振り返って思うこと
今から考えると先生の要求は理不尽なものの、僕の返答も小生意気で相当腹立つ感じだなー。
1つ面白いなと思うのは、「自分がこうだと思ったことに対しては、一切人の話を聞かずにそれを貫き通すという性格」は、13歳の頃からすでに出来上がってたんだなーと言うこと。
ガンコ?
融通がきかない?
まあ何とでも言うてくれ(笑)
まぎれもなく、これが僕を作っている性格の正体だから。
そして今日、ネットのNHKニュースで、僕は衝撃的な記事を目にする。
NHKニュース
文科省が「置き勉」認めるように全国へ通知へ
各地の学校で新学期が始まる中、文部科学省は子どもたちのランドセルなどが重すぎるという意見を踏まえて、宿題で使わない教科書などは教室に置いて帰ることを認めるよう、全国の教育委員会に対して求める方針です。
勝利の雄叫び
瞬時に脳裏によみがえる、あの中学校でのやり取り。
ふふふ、そうだろう。そうだろう。
僕はこの文科省の方針を30年前に先取りしてたのだ。
そして少数派として、中学3年間を戦い抜いたのだ。
今日という日は、その僕の、誰の記憶にも残らない小さな小さな戦いの、小さな小さな勝利の日なのだ。
うおおおおおおおお
おめでとう、昔の僕!
そんなことを胸に秘めながら、家で使うかどうか分からない会社のノートパソコンを、今日もまた家に持って帰るのだった。