先日ふとFacebookを眺めていると、僕の前職の会社で常務取締役であられた諸富誠治さんが同社を退職されてから、もう2冊目の書籍を出したとの投稿を発見!
1冊目は『終極の営業術』、そして今回は『ダメな部下と嘆いている上司はダメ上司』というタイトル。いやー、本はタイトルが命っていうけど、ネーミング上手いっすね!
部下の目から見た諸富さん
さて、本の内容に触れる前に、部下だった僕の目に移っていた上司としての諸富さんの話を。
世間一般的には、上司は他部門にはいい顔をしつつも部下に対しては叱責/詰めまくるなど厳しい指導が見られるという話をよく耳にしますが、諸富さんのご指導はそれとは全く逆でした。
部下を守ってくれる
自分の部下をきちんと評価し、守ってくれる。他部門から何か言われても、きちんと押し返してくれる。僕たちは諸富さんという大きな傘の下で、安心して仕事を出来る環境を与えてもらっていました。
怒らず、指導する
ちなみに僕は諸富さんの下で4年ほど働かせて頂きましたが、その間に諸富さんが声を荒げたところなど一度たりとも見たことがありません。いつも社長の横の席でニコニコしてて、ガハガハ笑ってて、でも仕事で気になる点があった時には急に真面目な顔になって「この時はどう考えてるんや?僕はこっちの方がいいと思うんだけど。」と数段高い視点から温かく指導してもらえる感じで。
部下からの議論も決して厭わず、真摯に受け止めて聞いてくれ、でもおかしな所はきちんと指導し、成長させてくれました。
部下の成長を喜んでくれる
2013年に僕が海外留学に手を挙げた時も、同じくイギリスに留学された経験、そしてアメリカ販社副社長/シンガポール販社社長/欧州販社副社長といった海外での経験から様々なアドバイスを頂きました。
また、海外研修を終えたら本社勤務となって諸富さんの下から異動するという状況でしたが、諸富さんからは「君の成長のためにも、海外に行かせたるからな!」と非常に心強いお言葉も頂きました。自分の下から去ろうとしている部下の成長まで見守り、サポートしてくれる、本当に素晴らしい人の下で働かせてもらったなと強く感じたのを覚えています。
背中で語る
そういった包み込んでくれるような優しさと、そしてそれだけではなく、キレッキレの営業センスを持った方でした。
偉そうなことを言ったとしても、実力がない人の言うことなんて誰も耳を貸さないですよね?でも諸富さんは違いました。
今まで誰も行ったことの無いような、それこそ誰もが無理だと考えて手を出して来なかった顧客に対して飛び込んでいって、そしてきちんと大きな商談をまとめてガハガハと帰って来る。まさにスーパーマンでした。
僕は諸富さんの前著と今著を読みながら、そんなスーパーマンな諸富さんの営業術、そして常務としての部下との立ち振る舞いを思い出し、「ああ、諸富さんはこういったことを考えていたのかー」とうんうん頷きながら読んでいたのです。ほんと、まるで諸富さんの声が聞こえてくるかのような感覚(笑)
いやー、本当に諸富さんの人の下で働けてよかった!
本のレビュー
さて、ここからはようやく本のレビュー。
この本には心理学を用いた営業活動と部下に対する接し方について書かれており、まさに前述の諸富さんの強みが凝縮された一冊。
『心理学の〇〇理論』といった理論の名前まで覚える必要はないだろうけど、実際売れる営業マンと自分自身の違いがどういうところにあるのか、自分に今後必要なアクションは何なのか?のヒントを見つけ出せる本。
例えば営業活動していて必ずぶち当たる「断り文句」。僕も新入社員の頃は営業やってて、お客さんに「間に合ってる」なんて言われたら「そうですか・・・」とスゴスゴと引き返していました。
「今ので間に合ってる」
「他社と比べて高いですね」
「予算をとっていない」・・・
こういった断り文句1つ1つに対して黙ってしまったり、パニックになる人は、100個応酬話法を考えておきなさい。なんて書いてあるわけです。これって本当に直接的な、それでいて一番効果のある解決策。
「高いですね」って言われたらこう返そうと練習していて、「高いですね」とお客様から言われたら、キターー!!!って感じになるもんね。
こうしたことを1つ1つ地道に続けていくことが諸富さんの引出しの多さに繋がっていて、それをサラリと「100個やりなさい」と言うのが、まさに諸富さんは努力の人だなあと感じるとともに、『努力は必ず報われる』ということを再認識させられたりするわけです。
こんな感じで、自分がもう一段成長するためには何が必要なのかに気づき、努力の対象を見つけることが出来る本だと感じます。
まとめ
なんか本のレビューというよりも諸富さんのレビューになってしまった(笑)
まあ、そんな諸富さんが自身のスキルアップのためにしてきたことを惜しみなく書いているので、特に日々お客様と顔をあわせる営業職の方々にはぜひ読んでいただきたい一冊だなと思います!